2011年 03月 24日
宿も飛行機も、客船も、島はキャンセルが相次いでいた。 潮位の変動はあったものの、最南・末吉地区で漁船同士が数席、舷側をぶつけ合って痛んだ程度で済んだ。 その八丈島空港のターミナルを出てすぐ左へ。 棕櫚並木が気持ち良い緩やかな道が海へと下る。 真正面は突き出た磯の長崎の鼻辺り。 道路からすぐさま磯に降りられる交通の便と、黒潮が真正面からぶつかる地の利が重なるので、竿を出した回遊魚狙いの磯釣り師も多いに違いない。 ロッククライマー三人を孀婦岩(そうふいわ) まで送り届ける際に、Hinanoがほうほうのていで逃げ込んだのが八重根港でした。 小笠原航路の客船・小笠原丸までが避難投錨した夜は、荒れる海、砕ける白波が月光に照らし出されて、緊張感よりもただただ美しさに酔いしれたナイトクルーズだった。 あの荒れる海の月光を越える美、まだ見ていない。 写真の信号(西見)は島に十四箇所設置されている最初のひとつ。 この信号を更に、ニ、三百メートルほど下ると、見落としそうな、遠慮勝ちな小さな看板がひとつ、棕櫚の葉っぱに隠れるようにして立っている。 火山岩を丁寧に積み上げて壁を作った温室には八丈島の植物がぎっしり。 諸国雑貨も所狭しの『のんぶらり』は、この黄色い看板の案内にしたがわない限り行き着けません。 島の紹介パンフレットには、ただの一行だって触れられていないのです。 「何だろう?」と、小さな黄色い看板に興味を抱いて訪れた人だけが幸運を味わうことになる、お店へのこれっきゃない標(しるべ)です。 42フィートのセーリングクルーザーHinanoによるmanbowのロングは、東京湾から真南に六百六十キロ、絶海の只中にニョキっと屹立する高さ九十九メートルの孤岩・孀婦までのクルーズが最初だった。 風待ちで数日滞在の八重根港を回って『のんぶらり』へ出掛けた。 「気楽にこられなくなるかもしれない」ための思い出の地巡り。 港の中は、嵐のあの日と同じように静かでした。 入口が狭くって、港への航路は途中でUターンなど出来ないほど狭く、へ字状に続いて外洋の波は入ってこない。 静かな静かなたたずまい、アウトリガー付の漁船、少しも変わっていなかった。 「ウム~、右舷着け専門ね」 船舶用語のPoat・said(左舷)、Starboard・said(右舷)の通用しない船です。 ここの漁船には被害は出ていない。
by molamola-manbow
| 2011-03-24 06:43
| 潜り・磯釣り・海
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