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2011年 08月 04日

ヨット山を越える

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d0007653_13175834.jpgライン川とか、マース川とか、セーヌ川など、北海に注ぐ河川をヨットで溯ってヨーロッパの内陸部を縦断、途中パリなどにも立ち寄り地中海に出る。
耳知識では知っていたヨーロッパの運河を、実際に体感してるような気持ちで一気に読破した。
写真満載の本・『ヨーロッパ運河ヨットの旅』(田中憲一著・新潮社)
著者は往年のディンギー乗り、レーザー級の世界選手権(一九七九年)に参加した日本代表です。
小学生のお嬢ちゃんふたりを乗せた夫婦船頭の2km運河の旅は、オランダの首都・アムステルダム郊外から始まって、大まか茶色線のコースをたどってフランス南部の港町・アヴィニオンまで。

d0007653_8233558.jpgイタリア・アルプスを越えてヨーロッパに攻め込んだローマ帝国軍、河川を最大限に利用して上流から下流へと舟で浸透を繰り返して欧州全土を支配下に置いた。
当時はまだ、一方通行に等しい上流から下流への川利用ですが、交通機関としての河川、いにしえから注目されてた訳で、十七世紀初頭には運河建設が始められた。
運河の大きさも「幅5mの川舟が通過可能であること」と規格化されたヨーロッパの運河網、総延長はイギリスを含めてですが、その距離5kmにも及ぶんだといいます。
地球のど真ん中、赤道の円周が4kmプラスアルファーですよ
5mもの船がヨーロッパの屋根・スイスの第三の都市バーゼルまで往復できちゃうのです。
急峻な川にはその横を掘り進んで閘門(こうもん)付きの運河を掘り、水の出し入れで順次高低さを高める。
最小でふたつ、同じ形の閘門運河を設けて、この中の水の出し入れで水位を高めたり低めたりして川の高低差を埋めて行く。

d0007653_8244325.jpg太平洋と大西洋を繋ぐパナマ運河、コイツも上流のガツーン湖まで閘門の開け閉め繰り返して船を進めます。
欧州運河網整備の実績があってこそ出来たパナマ運河、偶然でしょうがガツン湖の標高はバーゼル市と同じです。
2.5m、全長7.6mのヨット(ドリーマー号)による田中一家の運河の旅2km、言い換えるなら閘門、閘門、また閘門の旅でした。
12kmを進む間に37閘門が控えている難所・『ブルゴーニュの37ロック』とか、ベルギー国境の『ルシエンヌの27ロック』(9km間に)などなど、地中海到着までの間に通過した閘門385箇所
興味津々で読み進みつつも、「manbowには到底できね~」と思っちゃいました。
幅数百メートルの運河(河)も存在しますが、分水嶺を越えて別の河へと転じる時は5とか6mの真っ暗な一方通行の細いトンネルを抜けなければならない。
途中の町々はのどかで、綺麗で、足掛け九ヶ月ののんびり旅行。
でもね~、全工程機走だし、時速は5km、名前を出した『ブルゴーニュ・ロック』などは通過するのに半日掛る。
のんびり帆走、風の向くまま気の向くままが理想のブルーウォーター派にとっては、「苦痛が先にくるな~」
                   ともあれ、興味津々の本、一九八八年刊の古本です。
水路運送は斜陽化し、取って代わって主役の座を鉄道輸送に明け渡した。
d0007653_8314054.jpg時代は進んで、現在の物資輸送は道路と自動車が主役たち。
でも、「運河なんか止めちゃえ」コールは何処の国にも起こっていない。
ロック毎に番人を置き、跳ね橋にも橋番、み~んな給料国費で出して立派に維持している。
狭い国土に今度はリニアカーを走らせる。
利便さだけを追求して美しい自然と水しか資源がないのに、その資源である国土を壊しまくってる国が一方には存在する。
豊かさ計るコンパスが違うんだよな~。
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by molamola-manbow | 2011-08-04 08:47 | ヨット | Trackback | Comments(0)
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