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2012年 07月 02日

名言vs名言の対峙本

出版業界用語で言う腰巻に、「結局は、何が正しいのか?」とある。
「どっちが正しいの?」と言い換えた方が判り易いかもしれない。
戦いを繰り広げるのは古今東西の賢人、有名人が表わした相反する格言、名言の類い。
名言vs名言の対峙本_d0007653_1845033.jpg例えば「君子危うきに近寄らず」。
なるほどなるほど、「分別のある者は無闇にリスクを負うような事はしないよな~」、「危険を避けるよな~」と納得してると、正反対の格言が出てくる。
虎穴に入らずんば虎児童を得ず」。
こちらは「価値のあるモノを手に入れるにはリスクを恐れてちゃあダメだ」と諭しています。
「いったい、どっちを信じたらいいの~?」。
そんな言葉同士を戦わせた『名言vs名言』(思想社)、『グループ・ニヒト』なる執筆集団が著した本です。
名言vs名言の対峙本_d0007653_219171.jpg
鎌倉時代の最晩年に生まれた吉田兼好は、『徒然草』の中で、『百薬の長といえども、万の病は酒よりこそ起これ』と書いて、返す刀で「酒飲みは地獄に堕ちるだろう」と、バッサリ切り捨てているらしい。
酒飲みが言い訳に使う『酒は百薬の長』と対峙させてることばです。
もっとも、『徒然草』は地獄に堕ちる酒を、
      かくうとましと思ふものなれど、おのづから、捨て難き折もあるべし
      月の夜、雪の朝、花の本にても、心長閑に物語して、盃出したる、万の興を添ふるわざなり
      つれづれなる日、思ひの外に友の入り来て、とり行ひたるも、心慰む
      馴れ馴れしからぬあたりの御簾の中より、御果物・御酒など、よきやうなる気はひしてさし出されたる、いとよし
      冬、狭き所にて、火にて物煎りなどして、隔てなきどちさし向ひて、多く飲みたる、いとをかし
      旅の仮屋、野山などにて、「御肴何がな」など言ひて、芝の上にて飲みたるも、をかし
      いたう痛む人の、強ひられて少し飲みたるも、いとよし
と続けて行く。名言vs名言の対峙本_d0007653_9143474.jpg
何だよ、兼好さん、春夏秋冬、飲むんじゃね~か、『毒をもって毒を制す』な~んて格言のあるしね~。

福沢諭吉の言葉、『天は人の上に人を造らず。人の下に人を造らず』には、『平等を自然の法則とするのは正しくない。自然は一つとして平等なものを作らなかった』(ヴィーヴナルグ=フランスのモラリスト)をぶつけている。

旅をしない人間は惨めな人間だ』(モーツワルト)vs『旅は愚者の楽園に他ならない』(ラルフ・エマーソン=アメリカの思想家)
エマーソンは、『どんな芸術家でも最初は素人だった』とか、『貧しさは貧しいと感じるところにある』とか、『我々は一人で世の中を歩いている。 我々が望むような友情は夢であり、寓話である』などと、短い言葉で語るひと。

人真似、猿真似はやめておこう。真似では勝利は得られない』(井深大=ソニー創業者)vs『素晴らしいアイデイアを盗むことに、われわれは恥を感じては来なかった』(スティーブ・ジョブス=アップル創業者)。

理性はこの世でもっとも公平に分け与えられてるもの』(デカルト=フランスの哲学者)vs『人間は、もし狂っていなければ、別の仕方で狂ってる、必然的に狂ってるものである』(パスカル=こちらもフランスの哲学・数学者)

対峙させてる言葉はおよそ五十組、「フ~ン」などと感心して読んでて、まだ途中の本ですが面白い。                                         エジソンvs岡本太郎
成城の居酒屋産『けんどんや』」のママさんから頂いた本、どちらにも軍配を上げられない勝負が続きます。

by molamola-manbow | 2012-07-02 09:23 | 読書


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