2016年 10月 17日
「どげなあんばいか、かるうてみやんせ」 などと申します。 九州一円の方言だけではなくて、『かるう』、『かるい』を用いるのは四国、中国地方も同じであるらしい。 『かるう』は動詞で、名詞になると『かるい』と変化する。 翻訳は「どんな具合か背負って見なさい」ですね。 すぐ後ろは小石川植物園、東京・文京区の閑静な屋敷町の一角にある『KEIAN』ギャラリーで開かれている宮崎の竹細工師・廣島一夫の遺品展(来月13日まで)で知った方言です。 通常の背負い籠は『てご』とか『ほご』と呼ばれているので、コノ形は区別して呼ばれるらしい。 山歩きが好きな人なら、リュックに詰める荷物の配置に気を使って重いモノを上に置く。 そこで、沢山のジャガイモを無造作に放り込んでも、『かるい』は、背負っていて『軽い』に繋がるんじゃあなかろうかな~と考えちゃった。 三年前に98歳で亡くなった廣島翁は、コノ『かるい』(⇨ ⇨)作りの名人でもあられたらしい。 使い手の体型に合わせて、背中にピタリと吸い付く籠を編んだ。 竹で編まれた作品の展示は三十点余り。 廣島翁の口癖は「オレの籠はすべて使ってナンボの道具。飾ったりするモノじゃなか」であったらしいが、これだけの数の作品が集まったのは、「作ってもらったものの、使うのが惜しい」気持ちが湧いてくる美しさにあったからだとみた。 作品は米国・スミソニアン博物館にも収録されているんだといいます。
by molamola-manbow
| 2016-10-17 10:56
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