2005年 04月 26日
一度も口にしたことのないお酒だから、味に関しては何ともいえないのだけれど、嬉しくて心が笑っちゃう芋焼酎(写真)を頂いた。 まずネーミングがいい。 たかが焼酎のくせに、昨今のブームは小洒落れた名前、小洒落れたビンの林立を生み、中身よりも外観で勝負!の蔵元を増やした。 そんな中にあって、『亀五郎』の響きは、逆に耳に新鮮ですらある。 この酒の希少性も、呑ん平にとってのワクワク感を駆り立てる。 三面の壁すべてを、全国の一升ビンで埋め尽くしている三宿の焼酎酒場、『座〇楽』(ザエンラクと読ませます)にだって、置いてないかも知れない珍品なのだ。 更にもうひとつ。わたしにはこの酒に惹かれる理由がある。 東シナ海に浮かぶ甑島(コシキジマ=薩摩川内市の離島)産の焼酎だということ。 (そうなんです。亀五郎の肩の部分のひらがなの「こしき」、これは古式製法で作られた焼酎、という訳じゃなかったんです)。 30年ほども前の話になる。当時はスナックでよく顔を合わせる客同士でしかなかった友人が、NHKで放映された甑島の漁師の話を始めた。 物干し竿の様な、でかくてごつい銛を何本も使い、60~80㌔のクエ(ハタ科の巨大魚)を素潜りで仕留めるお話である。 番組は私も観ていて話は弾んだ。 「これは一度訪ねるべきだ」で衆議一決、夏休みに旅した所が甑島だった。 旅には熊本から男女二人の若者(恋人同士に非ず)も加わった。当時19歳の成美嬢は今では高校1年の男子と中学1年の女子の母親。 光生青年も高校1年の男子を長とする4児のパパ。 いま、油の乗った40代の働き盛りを迎えている。 スナックで隣り合わせたのが縁で仲良くなった客同士は、その後、台湾の緑島、長崎の五島、山口・萩沖の見島、山形の飛島、稚内沖の礼文・利尻など、離島を訪ねる旅を続けて今日に至っている。 甑島に一緒に旅した若者も同じ。結婚式に呼ばれ、出張で上京したと言っては電話で呼び出される付き合いとなった。 思えば当時の私は働き盛りの40代。現在の彼等と同じ年代だったことになる。 そんな訳で、この一本は嬉しく、楽しい思い出に繋がるお酒なのです。 宿の女将が持たせて呉れたキビナゴのおみやげ。 新宿の飲み屋街に配りまくっても、クーラーの底は見えてこなかった。 どれも、いい思い出である。 そして、友を呼び、宴会を開く口実の一本になるのだ。 いつにしようか。誰と誰と、誰を呼ぼう、と指折り数える楽しさは、当分続くことになる。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ▼離島の焼酎 奄美の島々を例外に、水に恵まれないハンデを負つているのに、意外や意外、美味しい焼酎が多い。蔵元の小ささがキメの細かい酒つくりとなり、独特の味になるのだそうだ。甑島にも評判の焼酎がある。島の花、鹿の子ユリから名をとった『百合』。銘の優しさは味の優しさとシンクロしている。 2003年の孀婦岩遠征では青ヶ島の『青酎』を仕入れて試飲の宴を開いた。 嗜好品だから評価はいろいろだが、私にはこれは合わない。
by molamola-manbow
| 2005-04-26 09:56
| 酒・宴会・料理
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