2008年 02月 28日
「街に鍛冶屋やんがあったらな~」と、何かにつけて思い続けている。 付き合ったのは小学校四年までの五年間ほどでしかない。 子供時代をすごした鹿児島の片田舎には、小さな町なのに二軒も野鍛冶があって、その一つが子供の注文にも応じて呉れていた。 独楽を改良して貰ったのが最初だったろう。 預けた独楽に鉄の輪を付ける補強と、軸の先を鋭い刃物に打ち直して武装することだった。 相手の独楽目掛けてぶっつけて太刀割って遊ぶ喧嘩独楽だから、いま考えると危険極まりない遊びだけど、怪我した記憶もさせた記憶も無い。 常に持ち歩いた折りたたみ式の『肥後の神』型小刀も、文房具屋さんでは買わずに加治屋さんに造って貰った。 潜れるようになってからは子供の身長を軽く越える長さの心棒に、鋭く研がれた銛先をはめ込むヤスもお願いした。 刃先の欠けた包丁を持ち込むし、子供用の鎌も造ってもらった。 小学校の四年になると、学校の演習林の下草刈り、ウサギを罠にを追い込んで貴重な蛋白質を得る学校行事に参加するのです。 飼っていた二匹のウサギにあたえる草刈も日課でした。 他にも鍛冶屋さんがあればすぐに造って貰える小物、たくさんあります。 こんなことを思い出したのは、塩野米松さんの本、『失われた手仕事の思想』(草思社)を読書中だからだろう。 数多くの消えてしまった職人さんが登場する中で、私にとって一番身近に残念なのは、やはり鍛冶屋さん。 全国の離島を旅して歩いていた時も、宿に着くと女将さんに「ここに鍛冶屋さんある?」と尋ねるのが口癖になったけど、「ございますよ」の返事が来た事、一度もなかった。 しょうがないから炭火を熾し、鉄棒突っ込んで銛先造るのだけど、キチンと焼きなど入れられないからなまくら穂先。 市販の銛だってひどいものです(探すだけでも大変なのですが・・・・・)。 使い続けて穂先を研いでいると、すぐに右端のヤツ(↑↑)のように刃先は磨り減っちゃう。 刃先と返しがここまで近づいちゃうと、少し魚が暴れるだけで抜ける。 他にも鍛冶屋さんがあればな~と思う小物、折りにつけて出て参ります。
by molamola-manbow
| 2008-02-28 09:27
| 潜り・磯釣り・海
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