2009年 10月 14日
百八十億円を越える農作物被害を出した台風十八号のうねりが微かに残る玄界灘を、セーリング・クルーザー『HINANO』は9ノット強のスピードでカッ飛んでいた。 満月から五日を経て微妙に欠けたお月様の怪しく照らし出す海面は何処までも続いて、遥か遠くの漁火だけが空と海の境界線を教えて呉れる絶好のナイト・クルージング。 エンジンは遠の昔に切られていて、舳先の分ける波切り音だけがコックピットを支配する至福の時が過ぎて行く。 予定を二時間繰り上げて、九日午後六時(十分過ぎ)に長崎空港近くの大村湾・八幡漁港を出港した際の『HINANO』は、賑やかだった。 船上には『船長』こと岡元スキッパーと二人の地元・長崎クルーに、「オイラも乗せろ~」と押し掛けたmanbowだけ。 もったいないほど少人数の旅立ちではあったが、出発まではごった返していた。 早朝からの釣りに飽きた大村の小学生五人がコンパニオンウェイを駆け下り、駆け上がり、「オジちゃん、腹減った。あん(あの)インスタントラーメン食ってもよかや?」。 散々質問攻めに合い、「カッコよか~」とか、「大人になったら、オイも持ちたか~」とか、大いに褒められて、「あんオジサンと仲良くしっちょれば(してれば)湾の中、乗せっくれっで(呉れるから)、よ~(良く)言うこときかないけんど~(聞かなきゃいけないよ)」な~んて、久しぶりに鹿児島弁で応対して遊んで貰ったお返し。 お湯注いで、麺すすらせて、そのまま見送りを受ける出港だったのです。 針尾の瀬・西海橋を潜って大村湾を抜けてすぐに帆走となってからは、初めて『HINANO』を経験する二人の長崎側クルーの「よ~走る船じゃ~。こん風(5~6メートル)でこげな走り方する船は知らん」な~んて、時折りの会話を心地よく聞きながら一路北西へ。 55海里を六時間半で走破して十日午前零時四十分、五島列島最北端の島・宇久島(蒲浦アリーナ)着。
by molamola-manbow
| 2009-10-14 07:32
| 長崎・HINANO
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