2011年 02月 04日
世田谷図書館の書棚、何時もコイツを横目に通り過ぎている。 三十年か、もう少し前のことになるでしょう。 英国で衝撃的な学説が発表されました。 曰く、「万物の霊長などと、地球を支配してるかのような言い方をするけれど、我々人間は単なる遺伝子のビークル(乗り物=Vehicles)に過ぎない。地球の真の支配者は、人間(生物)に乗っかって、コピーを残し続ける遺伝子である」 神様、仏様、キリスト様の欧米社会で大反発が起きました。 地動説のガリレオさんの時と同じですから、日本でも新聞、週刊誌がこぞって取り上げた。 騒動の学説の主、この本の著者・ドーキンスさんじゃなあいかと思うんです。 だから、読んでみたい気持ちはヤマヤマなのですが、前日のようにチンプンカンプンな学問がDNAの分野です。 寝転びながら読める本、面白可笑しく読める遺伝子の本、サラサラッと読み進んで行けるヤツ・・・・・。 有りましたね~『万世一系のひみつ』(竹内久美子著、文芸春秋)、随筆ですから好みの箇所だけ拾い読みもできます。 その中に「日本人が愛してやまないソメイヨシノ、大層厄介な植物だ」とありました。 平泳ぎの北島康介クンが学んだ本郷高校の裏手、滝野川区染井町(現在の豊島区南部)で植木職人さんがエドヒガンとオオシマザクラを掛け合わせて作った園芸種だといいます。 異説はあるけど、この一本の園芸種が、全国のソメイヨシノの親なのだと。 つまりクローンであって、病原菌や害虫などのパラサアイト(寄生者)に極端に弱い。 一本がやられると、被害の連鎖反応が起こる。 成長の早さ、花の見事さを引き継ぐと同時に、ひ弱な劣勢の遺伝子も受け継いだ。 野生のサクラは自然淘汰されて生き残ってきた樹木だけど、一本の園芸種のクローンでしかないソメイヨシノは厳しい自然淘汰の競争を行っていない。 だからパラサアイトにはとっても弱い。 成長が早い分、樹木の中では驚くほど短命でほぼ六十年で命が尽きる。 その尽きる日、そろそろなんだといいますから、ソメイヨシノは全国規模のピンチにたっていることになるようです。 「口蹄疫の牛、鳥インフルエンザのニワトリ。コイツらもソメイヨシノと同類のクローンだよな~」と考えちゃう。 病原菌に打ち勝つ強い牛やニワトリは、「このままじゃあ永久に出てこないんじゃないのかな~」と思っちゃいますね。 みんな殺しちゃっては、何時まで経ってもパラサイトに対して処女のままです。 病に打ち克つ牛やニワトリは生まれない。 進化の道を塞いちゃっちゃあ、アカンのと違うかい!?、と考えちゃう。
by molamola-manbow
| 2011-02-04 06:54
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