2005年 04月 06日
違う星の生き物のような、薄っ気味の悪さだ。前後、左右、どのようにひっくり返して見ても、どちらが頭なのかさえ(上の写真では右、下では左が頭と想像する)、よく解らない。 形状を説明すると、外皮は海老の殻のように固く、節があって、その数は13~14枚。足は7対で、それぞれの足先は釣り針状というか、猛禽類のカギ爪状をしていて、鋭く内側に湾曲しており、この爪でしがみ付く寄生生活をしていたことがうかがえる。 大きさは写真のバックのマス目が1×1㌢だから、長さ3㌢、幅1.5㌢ほど。 蒲鉾状をしたからだの厚みも結構あって1.5㌢とずんぐりしている。 採取場所は伊豆の式根島。 正月の新魚連・初釣例会で挙げた1・5㌔の舞鯛の口の中から出てきた。 釣師の間では結構知られているこの舞鯛の口中寄生虫。 最初に出会ったのは、30年以上も前の夏の川津漁港(外房)だった。 懐中電灯と長いタモ網を持ち、岸壁の水面近くに這い上がってくる渡り蟹を捕っていると、日本記録モノのメジナ(4㌔はあった)が近寄ってきた。 まるで「どうぞ掬い上げて下さい」と言わんばかりの近寄り方なのである。 あまりの大きさにタモからはみ出し、掬い上げるのに一度失敗した。 なのにまた近付いてくる。 不思議なので掬い上げた後、良くからだを調べて見ると、胸ヒレの後にへばりついている、こいつがいた。 14本の足で、メジナのからだにガッシリとクサビを打ち込んでいるので、渡り蟹の鋏を使って剥がしたことを覚えている。 メジナは海に帰した。 「救いを求めて来たのに、獲物にしてしまっては・・・」と言う気持ちである。 釣師が自殺願望の魚を、網でゲットしてもねえ・・・。 わたしのメジナの大物記録は、昭和44年1月24日に伊豆大島のマンタテ(万立)で挙げた2㌔と1.8㌔。 掬ったメジナには程遠い。 ▼エイリアンの様な謎の生物、調べてみると真鯛の口の中でよく見つかるので、標準和名を『タイノエ』(鯛の餌)という、等脚類の一種だった。 学名はレキサネラ・ベルコーサ。 想像とは逆に写真左側が頭部。 右側を団扇のように上下させ、多少は泳ぐらしい。 等脚類 甲殻類の一目。 体は一般的に扁平で、体長は1~10cm。 頭胸甲はなく頭部と胸節尾節が癒合して区別がつかない。 陸生、海生、淡水生、また寄生性のものもある。 ツナムシ、ダンゴムシ、ウオノエとも呼ぶらしい。
by molamola-manbow
| 2005-04-06 00:29
| 潜り・磯釣り・海
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