2012年 01月 13日
色黒々のアゴヒゲがモミアゲへと続いて眼光鋭く見すえておいでの御仁、『明治の浮世絵師と西南戦争展』(鹿児島大図書館)で観た豊原国周(一八三五~一九〇〇年)の西郷隆盛です。 愛犬・ツンを連れた上野のお山の西郷さん、あのイメージが頭の中に定着してて、とっても新鮮に映りました。 同年代に生きた坂本竜馬さんとか、最後の将軍一橋慶喜さんなどは、乾板写真に己の姿を残していますが、鹿児島県民が尊敬と愛情を込めて『セゴドン』と呼ぶ西郷隆盛には信頼すべき写真が一枚もないらしい。 明治の初期、大都市には『東京日日』とか『郵便報知』(ともに明治五年発刊)とか、およそ四十(社)もの"浮世絵新聞"が出ていたらしい。 西南戦争は彼らにとって格好の題材です。 こぞって戦況を報道し続けたから、浮世絵師は当時の戦場カメラマン・渡部陽一さんです、ロバート・キャパです。 な~んて、あらぬ妄想を膨らませて興味津津で眺めて、帰宅後に仔細にパンフレットを読んだところ、浮世絵の人物は九代目市川團十郎(一八三八年~一九〇三年)演じるところの歌舞伎の西郷隆盛でした~。 当時の『セゴドン』人気、東京でも高く、山県有朋(明治政府)からの降伏勧告状を読んだ西郷隆盛が死ぬ覚悟をかためる自決の場面などは、ヤンヤの喝采をはくしたらしい。 あまりの人気に、「逆賊・西郷隆盛を題材にした芝居の上演、絵又紙のたぐいを出版しちゃあならね~!」みたいな通達(明治十一年=一八七八年)まで出た。 「てやんで~、江戸っ子を何だと思ってやがる!」といったところですね。 明治政府の通達後も『西條團洲先生小伝』などと云う題名の芝居が出来たり、浮世絵新聞が出たり・・・・・。 鹿児島大図書館収蔵の二十八点プラスアルファーの明治の浮世絵、「美術的評価は落ちる」とあったけど結構魅せます。
by molamola-manbow
| 2012-01-13 09:15
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