2005年 04月 22日
二階の窓から見下ろすと、ベランダに通って来る4匹の野良の中の一番の若輩、アメリカンショートヘアーの雑種(多分)が、全身に緊張感をみなぎらせて固まっていた。 「ン・・・?」と思って眺めていると、植木の根元に向かって腰の引けた状態のネコパンチを繰り出した。 何か居るらしいのだけれど、植木が邪魔をし、日陰に入っていることもあってよく判らない。 そうこうするうちに、植木の根元がノソッと動いた。 ガマ蛙(蝦蟇蛙)である。握りコブシほどの大きさのガマだった。 ノソッの瞬間、大きく後方へと跳んんでいた野良が、また腰を引きながら近づいてチョッカイを出し始めた。 今度は何をされても石のようだ。ピクリとさえ動こうとしない。 そうだ、写真だ、と思い付いたのは、野良の体から緊張感が明らかに抜け、飽き始めたことが判ってからだ。こちらも飽きてきていた。 この時間のロスがチャンスを逃させた。 カメラを持って庭に降りてみると、野良はおろか、石のように固まっていたガマさえも消えてしまっている。カメラを探すのに少々手間取りはしたものの、大目に見積もっても2、3分、この間にかき消すように消えたのである。 さては児雷也!と、昔々、この一帯を回っていた紙芝居の主人公と、庭のガマがダブった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ これまでに、いったい何匹、庭にガマ蛙を放しただろう。 啓蟄過ぎの暖かい雨の夕方とか梅雨の頃、下校途中の女学生が裏通りで大騒ぎをしている。あまりにも煩いので何事かと外に出て見ると、道の真ん中に鎮座するガマである。 外出から帰った連れ合いが、玄関に駆け込んできた場合も同じ。 その度に捕まえて庭に放してきたから、トータルすると10数匹にはなる。 それなのに、庭で姿を見ることはない。 庭からの脱出には1mほどの高さから舗装道路にジャンプする勇気を必要とする。 勇気を奮い起こしてジャンプしたとしても、ご先祖様が繁栄した楽園の湿地は、埋め立てられて跡形もない。 水練の場としたきた北沢川も、烏山川も(二つの川は三宿の近くで合流し、目黒川と名を変える)、真っ暗闇の暗渠だ。 それでも行くのかボヘミアン 自由を求めてガマ蛙 たとえ醜いからだでも 心は錦のガマ蛙 ーーーーーと考えていたところに現れた1匹、そして鮮やかな消身の術! これにはホッとする気持ちになれた。 居て呉れたのである。 児雷也に教わった妖術を駆使し、うまく姿を隠しているだけで、庭で生活しているのである。 1匹だけなのか、2匹なのか、3匹なのか、4匹なのか。もっともっと多いのか・・・・ ▼児雷也(ジライヤ) 大蝦蟇を操る妖術で神出鬼没の活躍を見せる義賊。明治元年までの天保年代約30年間に、4人の作者によって43編の物語が書きつがれた。蛞蝓(ナメクジ)の妖術使い・綱手(ツナデ)をめとる。宿敵は大蛇(オロチ)使いの大蛇丸(オロチマル)で、グウ・チョキ・パアのじゃんけん同様に蝦蟇・蛞蝓・大蛇が三すくみになる。 物語は大蛇丸に殺された児雷也が中国伝来の秘薬により、甦ったところで終わっているのだそうだ。書き継ぐヒト、居ませんか?
by molamola-manbow
| 2005-04-22 16:35
| 犬・猫・蛙に動植物
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