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2008年 06月 21日

モンゴロイド一万年の旅

十五日間の貸し出し期間内には読みきれなくて一度図書館に戻したところ、およそ三ヶ月間、書棚から姿が消えた。
区内二十箇所ほどに設置されている世田谷区図書館、手近な図書館に無い時は、他から取り寄せて呉れたりもするから、何処かへ行っちゃって行方知れずになっちゃたのかな~と。
その半ば諦めていた本と、ようやく再会した。
行方知れず期間がムダになった訳ではない。
「何処かで読んだな~」と感じていた記憶を頼りに、自宅を探しまわり、類似本を探し当てたのです。
経堂図書館の『一万年の旅路』(ポーラ・アンダーウッド著、翔泳社)とウリ二つなのは、文庫本の『ベーリンジアの記憶』(星川淳著、幻冬社)。
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アジアとアメリカを繋いでいた陸橋・ベーリンジアが水面の上昇で水没を始める。
遠く南極海で生まれて太平洋に広がった荒波が、再び収縮して一点に集まる地形の影響も加わり、激しく侵食され崩れ始めた時代だから、一億五千万年ほど前になる。
その頃に苦労しながらアジアから、現在のベーリング海峡を渡ってネイテイブ・アメリカンの祖先になった人たちの、一万年の旅の口承史である。
南下を繰り返し、現在のアメリカ合衆国を東へと横断、五大湖のほとりに勢力をのばしたイロコイ族に伝わる伝承記録の物語り。
ひとつのサイクルが百年とか二百年、更なる長さ。
獲物の豊富な場所を探し出して住み付く生活の中から、「もっと先を見てみたい」「もっと住み良い場所があるに違いない」と考える若者が現れ、偵察隊を編成して出掛けて行く。
偵察といっても二年とか三年の旅だ。
引き返してきた偵察隊の報告を受けて長老会議が開かれ、部族の移動がまた始まる。
「辛い旅はもういい」と、先への旅をあきらめるモノも出てくる。
モンゴロイドはそうやってアメリカ全土に広がって行った。

一万年もの部族の歴史を、文字をもたなかったネイテイブ・アメリカンがどうやって残したのだろう・・・・・?
大層素朴な疑問だけど、ニュージーランド・マオリの長老から、こんな話を聞いたことがある。
二の腕に幾何学模様の刺青をほどこした若者を指差し、「あれは飾りじゃないんだ」と。
まだパソコンなど普及しておらず、コンピューターは八畳間に入りきらないほどでかいモノだったから、長老の言葉使いは違っていましたけど、こうです。
「刺青の模様一つ一つは部族の歴史を刻み込んだキーワードや一族の系譜。記憶を引き出すコンピューターの役目を果たしているのです」
映画でしか見たことありませんけどネイテイブ・アメリカン、トーテムポール、もってましたね・・・・・。
『一万年の旅路』、詳しい内容はこちら

読み易さは父の後をボーイフレンドと二人で追って陸橋を渡る女性を狂言回しに置いた小説、『ベーリンジアの記憶』だけど、後書きにこんなこと書いてはいけません。
   「作者の知る限りにおいて、西の方から陸のかけ橋を渡ってきたという言い伝えを残す部族はありません」
先祖代々、アメリカで生まれ、アメリカで育った生粋のネイテイブ、何処から来たのでもないと主張したい彼等には、政治的な背景もあるのです。
土地問題がごたつくと、アングロサクソンは理不尽に言い放つんだ。
「お前らだってヨソ者だろう」
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by molamola-manbow | 2008-06-21 07:48 | カテゴリー外


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